丸柱というと伊賀焼、福森雅武さんの土楽窯がある地として有名だが、他にも数々の窯があり歴史を辿ると丸柱窯なるものが存在したらしい。THE、という感じのその窯で作られたこの薬土瓶の存在感がすごい。
夕飯前に一保堂のほうじ粉を入れ水を注いでガスストーブの上にのせる。それを食後に茶漉しで漉していただくのだがこれが不思議にまろやかで毎回美味しいなあと感激する。1時間はストーブにのっているのでイヤな渋みが出やしないかと思うのだが、すっきりしっかりのしあわせほうじ茶が完成する薬土瓶マジックなのである。
加えてこの佇まいの美しさよ!丸々としたフォルムにピカピカと艶っぽい肌、何とも味わい深い土の色。この大らかな存在と同じ空間にいるだけでふぅわーと脱力してくる。口から湯気を出す姿を見つめながら、何もないところから自然にある材料を使ってこんなものを作り出してしまうんだから人間ってすごいな〜〜といつもの感動癖が出てしまうのだった。