久保萌菜さんは多摩美術大学大学院を出られ絵画を中心に制作を続けており、その素材は油彩、布やアクリルなど多岐に渡る。作品制作以外にもワークショップにも力を入れておられ、ご自身で企画するミルデピクトを主宰されている。
私の萌菜さんファン歴は長い。というのも萌菜さんが小学生の頃からその絵を見てきたからだ。萌菜さんは学生時代の恩師のお嬢さんで、子ども時代に先生の年賀状のイラストを描かれていた。それがとても惹きつけられるイラストで彫刻家であるお父様の血を受け継がれているなあと感銘を受けたことを覚えている。想像するに萌菜さんが年頃になりお父様の年賀状にはもう。。と終止符を打たれたのだろうその年まで、毎年描かれる干支のイラストを楽しみにしてきた。
そして数年前、先生を訪ねて母校を訪れた際に萌菜さんがアーティストとして活動されていることを知る。Instagramを拝見すると私が魅了されてきた萌菜さんの世界が色鮮やかに展開されており胸が高鳴った。年賀状のイラストから感じた柔らかな線とフォルムは健在、すてきなセンスは増幅しており、ずっと見ていたくなる心地良さがあった。
写真は昨年、てのわ森の中美術館で野外展示をされた時の「KOMOREBI 9d2t4p(287f3m)3」というタイトルの作品。木漏れ日をひたすら収集して投影したという美しい作品で木々の間にあっても違和感がなく、木と作品がお互いを尊重し合っているような印象を受けた。
今回、コーヒーをテーマに作品を制作してくださる。光栄なことだ。萌菜さんのフィルターを通すとコーヒーがどんなかたちで表れてくるのか目にする日が待ち遠しい。