しまはらゆうきさんは大阪府生まれ、東京在住のイラストレーターで主に書籍や広告、音楽関係のクライアントワークを手掛ける一方、ギャラリーでの展示や ZINE などの自主制作にも力を注がれている。
しまはらさんを知ったきっかけは毎年印刷をお願いしている年賀状サイトだった。そこでは沢山のイラストレーターの作品から年賀状を選ぶことができるのだが、選んだのがしまはらさんのイラストだったことが続いた。ああ、私はこの方の絵が好きなのだとお名前を覚えていたのだが、ある時自宅から遠くないギャラリーで個展が催されることを知る。そこで幸運にもご本人にお会いすると作品から感じとれる明るさや屈託のなさをそのまま纏った方だった。それが3年前のこと。
今回イチジョーギャラリーを始めるにあたり思い切ってしまはらさんにメッセージを送ったところ先の個展でご挨拶したことを覚えていて下さってまるで古くからの知り合いのごとく今回のコーヒー画展に力を貸して下さった。
しまはらさんの作品には人物と食べ物が描かれることが多い。日常の何気ないワンシーンで、身近に感じる食べ物があって、見ているとじわじわと幸せを感じる。食べること、誰かと食事をすることは当たり前のように日々繰り返されていることだが、そこにこそ人生の喜びが最もまぶしく存在するのではないかと思えてくる。キャラクターの雰囲気や色使い、構図にセンスが感じられ、思わずにっこりしてしまうような優しい趣がある。
写真は先の個展「これは、うまいみそ汁だ。展」で展示のあった「おなすの炊いたん」という作品。ノスタルジックな雰囲気が目に心地良く、大切な人と一緒に手間暇かけて料理する時の充足感が感じ取れて満たされる。
今回、「ぴてッ、ぴてッ」「ジぃー」というタイトルの2作品を制作して下さった。タイトルだけで顔が緩んでくるしまはらさんワールドをぜひ味わっていただきたい。