【コーヒー画展作家紹介】野仲由夏さん

コーヒー画展

野仲由夏さんは現在熊本で福祉の仕事に就かれている。アート×福祉の観点からアートセラピーを学んだ経験を生かし今回の作品を制作してくださった。

野仲さんとは20年以上前にアルバイト先で知り合った。文化服装学園でファッションを学ぶため熊本より上京、その後セツ・モードセミナーで絵を学ばれていた。当時20歳そこそこの私は4つ年上のエネルギッシュな野仲さんからたくさんの影響を受けた。

小劇場の舞台に連れて行ってもらったりセツモードセミナーの今は亡き長沢セツ先生の話を聞かせてくれたり東京の実家住まいで世間知らずの私は野仲さんの後をひょこひょこついていってはカルチャーショックを受けていた。あの頃に感じたこと、出会った価値観が今の私の一部であることは間違いない。

そして野仲さんの描く絵はご本人の枠にはまらない奔放さと深い包容力に満ちていた。本当に作品は分身だと思った。

そんな恩人の野仲さんが昨年上京された折、十数年ぶりに再会。そして今回のコーヒー画展の為に筆を取って下さったことには感謝しかない。

写真はアートセラピーの手法を使って制作されたという無題の作品。これは一体なんなのだ?と想像力を掻き立てられる。植物の光合成?池の中?それとも誰かの頭の中か?答えが出ず見続けているとますますわけがわからなくなって、そのわからない感覚が面白くなってくる。私が思うこの絵の魅力は何かこれだというものに特定できないところ、わからないからと言って突き放される感じがしないところだ。どこか懐かしくありのままでいいという肯定を感じた。やはり野仲さんは不思議な人でその包容力は健在なのであった。

今回展示するのはコーヒーを味わい、豆を眺め、香りを楽しみながら制作したという「feel〈珈琲〉」「roots〈珈琲〉」というタイトルの作品。野仲さんの今の絵をぜひご覧いただきたい。

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